今日もヒカルくんとゆうきくんと遊んでいたら、遊具のない運動場でてつおくんときみひろくんがかけっこをしていた。
てつおくんは走るのがすごく速くて、きみひろくんを追い越していた。
すごい、てつおくんはやい!
ヒカルくんもゆうきくんもそれを見ていた。
ゆうきくんが立ち上がって言った。
「おれたちもいこうぜ!」
ヒカルくんは勢いよく立ち上がって頷くとボクに笑いかけてくれた。
「行こっ、アキラくん」
「うん」
ぼくらがてつおくんたちの所へ行くと、きみひろくんはぜぇぜぇと息を切らしていた。
「よぉ、ヒカル、ゆうき、アキラ」
てつおくんは笑ってぼくたちに言った。
全然疲れてなさそうだ。
「おまえらもやるか?」
てつおくんが聞くとヒカルくんとゆうきくんが同時に「やるっ」と答えた。
「よーし、じゃあ俺と勝負だな」
てつおくんは嬉しそうに笑うと、スタートの場所とゴールの場所を説明した。
ゴールにはあすみちゃんがいた。
あすみちゃんが誰が一番か見るんだって。
「おし、じゃあアキラ、よーいどんって言ってくれ」
「うん、わかった」
ボクは頷いて息を吸った。
「よーい、どんっ!」
ボクが言い終わると3人は一斉に走り出した。
初めは皆横に並んで同じくらいの速さだったけど、真ん中の方でてつおくんがどんどん早くなった。
ゴールして皆が止まると僕はゴールまで走った。
ボクがゴールに行くとヒカルくんがもう一回!と言っていた。
「あ、アキラくん」
「おう、アキラもやるか?」
「ううん。てつおくんはやかったね」
「まぁな。俺の方がいっこ年上だしな」
てつおくんは嬉しそうに笑った。
「うう」
ヒカルくんは悔しそうにてつおくんを睨んだ。
てつおくんは笑ってヒカルくんの頭を撫でた。
「てつおくんっ、もう一回勝負!」
ヒカルくんはてつおくんの袖を引っ張った。
「あー…、」
てつおくんはヒカルくんを見て唸った。
疲れたから走りたくないのかも。
「あ!」
てつおくんはボクを見てにんまりと笑った。
「アキラ、おまえが走れ」
「えっ」
「大丈夫、俺の目にくるいはない!」
「ええっ」
何で…
「な、ヒカルもそれでいいだろ」
ヒカルくんは複雑そうな顔をしてすぐににこやかになった。
何かいいことを思いついたみたいだ。
「じゃあ、アキラくんに勝ったらおれと勝負ね!」
ヒカルくんはにこにこと笑っててつおくんに言った。
「おう」
てつおくんはヒカルくんの頭を撫でたあと、ボクを見た。
「アキラ、勝てよ!アイツ調子にのるから」
「う…ん、頑張る」
そう言うとてつおくんは笑ってボクの頭を少し乱暴に撫でた。
乱暴な感じなのに、何だかてつおくんがすごくお兄さんに見える。
一つしか違わないのに、何でだろう?
「じゃあ、位置につけ〜」
てつおくんがぼくらを促した。
「アキラは足速いのか?」
ゆうきくんが聞いてきた。
「うーん、わからない」
「ふ〜ん、ヒカルは早いから覚悟してた方がいいかもな」
ゆうきくんがそう言うとヒカルくんは嬉しそうに言った。
「俺が一番はやいもん!」
「てつおくんの次にな」
ゆうきくんが付け足す。
「そのうちてつおくんだって抜かすもんね〜」
「ど〜だか?せいぜいおれに抜かされないようにがんばれば?」
ぼくらが話してるとてつおくんが「おい!」と声をかけてきた。
「始めるぞ!いいかっ」
ぼくらが返事をするとてつおくんがきみひろくんに手を振った。
「きみひろ〜、いいかぁ〜?おまえ審判な〜」
きみひろくんも手を振り替えして「いいよ〜」と返事をした。
「じゃあ、位置についてぇ、よ〜い、どんっ!」
その掛け声で一斉にぼくらは走り出した。
そういえば本気の本気でヒカルくんとゆうきくんとかけっこってしたことない。
いつも一緒に走ってるけど、みんな本気で走ってないから。
ボクは一生懸命走った。
2人が隣にいる。
まだ抜かされてないけど同じくらい。
ゴールまでもう少し。
走る前は一番になりたいって思ってなかったけど、走り出したら一番になりたいって思った。
だから一生懸命走った。
「ゴール!」
きみひろくんの前まで来たらきみひろくんがそう言った。
止まって息を整える。
すごく疲れた。
「アキラ、おまえすっげー」
ゆうきくんが駆け寄ってそう言った。
「すっげー早いじゃん」
「うん、そうみたい」
ボクは一番だった。
すぐ後ろにいるヒカルくんの息使いが聞こえてドキドキしちゃった。
追い抜かされるんじゃないかって僕は必死だった。
ヒカルくんを見ると悔しそうにボクを見てた。
ゆうきくんが笑ってヒカルくんに言った。
「ほら、抜かされただろ?」
「ゆうきにじゃねーだろ!アキラくんにだ」
ヒカルくんがゆうきくんを睨みつけてると、てつおくんがやってきてヒカルくんの頭をわしゃわしゃと撫でた。
「ヒカル負けてるじゃねぇか」
にひひと笑ったてつおくんにヒカルくんは頬を膨らました。
「アキラ、おまえ早いなぁ」
てつおくんがそう言ってくれたので何だか恥ずかしかった。
「ほんと、てつおももしかして負けるんじゃない?」
あすみちゃんがてつおくんの後ろからひょこっと出てきてそう言った。
「んなわけあるか!俺様が一番に決まってる」
「そうかなぁ〜、もしかしたらいい勝負かもしれないよ?」
きみひろくんも話に加わった。
「よし、じゃあアキラちょっと俺と走ろうぜ」
「え」
「俺が一番なのを証明してやろう」
てつおくんはふふんと笑ってスタートラインに立った。
「ほらアキラ」
てつおくんが手招きをする。
「うん」
ボクがスタートラインに立つとヒカルくんも駆けてきた。
「ヒカルくん」
「おれだって負けないもん」
ヒカルくんはボクを見ないで真っ直ぐゴールを見てた。
「…うん、でもボクだって負けないからね」
するとヒカルくんはボクの方を向いて少しだけ笑った。
「よぉ〜い、どんっ!」

「う〜〜〜〜っ…」
「………ヒカルくん」
1番はてつおくんだった。2番はボクで、3番がヒカルくんだった。
「くやしぃ〜〜〜〜!」
「あはは、ヒカルのビリなんておもしれぇもん見たなぁ〜」
ゆうきくんが笑いながら駆けてきた。
「こいつらがはやすぎるんだ!」
ヒカルくんはボクとてつおくんを指差して言った。
「俺様にこいつはないだろう、ヒカルく〜ん?」
「うぅ〜、てつおくんがはやいのがいけないんだ!」
「はいはい」
てつおくんはまたくしゃくしゃとヒカルくんの頭を撫でた。
「アキラくんっ」
「うん?」
「もっかい勝負!」
「え、また?」
「うんっ」
ヒカルくんは意気込んで言った。
「いいけど…」
「よし!」

そしてもう一回ヒカルくんと走る。
ヒカルくんがちょっと見えて、すぐ横を走っていた。
負けちゃうかもしれないと思ったら、どんって音が聞こえてヒカルくんが見えなくなった。
振り返るとヒカルくんがこけていた。
「ヒカルくんっ」
ボクがヒカルくんの所に行ったらヒカルくん起き上がった。
「わ」
ヒカルくんの膝から血が出ていた。
「ヒカルくん大丈夫?」
ヒカルくんの顔を覗き込むとヒカルくんは泣きそうになっていた。
「痛いの?ヒカルくん」
ヒカルくんは首を振って涙を腕で拭いて「大丈夫」と言った。
ゆうきくんやきみひろくんがすぐやって来て、てつおくんはさい先生を連れてきた。
「まぁまぁ、消毒しなくてはいけませんね。ヒカルくん、こっちに来て下さい」
「大丈夫だよ!」
ヒカルくんは膝についていた砂を払って「ほら」と言った。
「駄目ですよ、ばい菌が入ったら困るでしょう?」
「じゃあアキラくんともう一回勝負したら行く」
「勝負?」
先生が首を傾げたからてつおくんが説明した。
「かけっこしてたんだ」
「だって痛いでしょう?」
「大丈夫。アキラくん、もう一回」
「でも」
「大丈夫だって。早くやろ」
「う、うん」
スタートラインにつくとてつおくんが言った。
「ヒカル、負けても消毒しろよ。アキラも手抜くなよ」
「わかってるよ!」
「わかった」
「じゃあ、よーい、スタート!」

 

「痛い〜〜っ、先生しみるっ」
「すぐ終わりますから我慢して下さい。…ほら、終わりましたよ」
「うぅ、痛かった」
「ヒカルくん大丈夫?」
「うん、大丈夫!アキラくん、もう一回勝負しよっ」
「え、またっ?」
「勝つまでやる!」
「えぇっ」
「じゃあずっとやってなきゃいけないんじゃねぇの?」
ゆうきくんが笑った。
「次は勝つよ!」
「ヒカルくん、残念ですがもう時間がないので明日にしましょう?」
「えー」
「今は膝が痛いでしょう?だから明日足が痛くない時にしましょう?」
「う…ん」
ヒカルくんが頷くとさい先生はにっこりと笑った。

「じゃあ、アキラくん、明日またかけっこしようね」
ヒカルくんはにっこりと笑った。
「うん」
ヒカルくんが嬉しそうに笑うからボクもちょっと嬉しかった。

 

これは運動会ネタの一部(だったもの)
脳内だけで運動会は終わってしまいました(書けよ)
誰が一番速いのか悩みましたがやっぱり俺様の加賀かなぁと。
まぁヒカルはへたれっぽく3番で。でもクラスの中じゃ1,2を争うくらいのレベルなんですよ。
ただアキラと加賀には勝てない。(へたれっぽくてグッドv)