12月14日
僕の誕生日
今日は朝からすごく寒くて、お母さんが暖かくして風邪をひかないようにねと心配した。
ちゃんとマフラーを巻いて手袋をして保育園に行く。
風邪なんかひかないように。
だって今日は誕生日だもん。
わくわくした気分で保育園についた。朝一番でさい先生に「おめでとう」と言われた。
すごく嬉しかった。
でも、僕は誕生日を教えてないのに、どうして知っているのか聞いてみた。
「ヒカルくんがね、明日はアキラくんの誕生日なんだよって、教えてくれたんですよ」
「そうなんだ…」
なんだかすごく嬉しかった。
ヒカルくんに前に僕が拾った綺麗な石を誕生日プレゼントとしてあげた次の日に、ヒカルくんが僕の誕生日を聞いてきた。
アキラくんの誕生日にはオレがプレゼントあげるから楽しみにしてろって、僕の誕生日を聞いて笑ってた。
すごく嬉しかった。覚えててくれたんだ。
「ヒカルくん、もう来てますよ」
さい先生はにっこり笑って部屋を指差した。
僕は駆け出した。
「アキラくんっ」
部屋に入るとヒカルくんが笑って駆け寄ってきた。
「誕生日おめでとうっ」
僕の大好きな笑顔でヒカルくんが言ってくれた。
「ありがとう」
お礼を言うとヒカルくんはにっこりと笑って僕を手を引っ張った。
「何?」
「皆にナイショな。特にゆうきには」
「何を?」
ヒカルくんは自分のカバンから白い筒を取り出した。
「はい、プレゼント!」
ヒカルくんが差し出したのは丸めた画用紙のようだった。
きちんとリボンがしてあった。
「あ、ありがとう」
すごく嬉しかった。
「見てもいい?」
そう聞くとヒカルくんは照れたように頭を掻いて頷いた。
その画用紙にはいろんな色が溢れてた。
人がいて、花があって、ケーキと…これは碁石かな。
それから空とお日様が描いてあった。
「これ、僕とヒカルくん?」
描いてあった人は、一人はボクみたいに髪が長くて、もう一人の前髪が黄色かった。
「うん!」
やっぱり!
嬉しくてもう一度その絵を眺めて、それからヒカルくんにもう一度お礼を言った。
「ヒカルくん、ありがとう!すごく嬉しい」
「えへへ、そっか。よかった。あともういっこプレゼントあるんだ」
「え?」
ヒカルくんはにっこり笑った。
「あのね、座って」
ボクをイスに座らせてヒカルくんはにっこりと笑って、ボクの前髪を上にあげる。
それからボクのおでこにちゅっとキスをした。
ボクは意味がよくわからなくてヒカルくんを見上げた。
「あのな、大好きな友達にはおでこにちゅーするんだって」
「そうなの?」
「うん!テレビで見た」
ヒカルくんは得意そうに言った。
「知らなかった」
「えへへ」
ボクは立ち上がって、ヒカルくんの綺麗な前髪を上にあげて、おでこにキスをした。
「ボクもヒカルくん大好きだから、お礼」
そう言って笑うと、ヒカルくんは慌てた。
「ダメだよっ、プレゼントにお返しもらったらぁ〜」
「あ、そうか、ごめん」
「まぁ、いっか。絵のプレゼントもあったし」
「うん。本当にありがとう」
ボクは絵をカバンの中に潰れないようにしまった。
「外行こうか?」
ヒカルくんが提案した。
「でも寒いよ?」
「大丈夫だよ」
ヒカルくんは部屋を飛び出した。
ボクも慌てて飛び出す。
ヒカルくんはさい先生に体当たりしてた。
何か楽しそうに話してる。やっと追いついて、何を話しているか聞いたらボクに描いてくれた絵の話だった。
「どんな絵だったんですか?」
「オレとアキラくんがケーキ食べてるとこ」
「碁石もちゃんと描いてくれたんだよね。あとお日様も」
「そうですか。アキラくんの好きなものばかりですね」
「「うんっ」」
ボクとヒカルくんが同時に答えた。
ボクらは顔を見合わせると笑った。さい先生も笑ってた。
笑ってると、ヒカルくんが「わっ」と声をあげた。
「何?」
びっくりして聞くと、ヒカルくんは首を傾げた。
「冷たかった」
「あ、2人とも、見て下さい。雪ですよ」
せんせいがそう言うから上を見ると、白い雪がぱらぱらと降ってくる。
「わぁ!」
ボクらははしゃいで雪をつかんだ。
「冷たい〜」
ボクはもう一度空を見上げた。
「……でも、晴れてるよ」
空には雲があるがまばらで、雲の合間から太陽の日が差している。
「風花ですね」
さい先生が雪を手にとって言った。
「かざ…ばな?って何?」
ヒカルくんが首を傾げた。
「えーっとですねぇ、風に飛ばされてやってきた雪です。だから雲がないんです」
「ふぅ〜ん」
ヒカルくんは納得したようなしないような返事をしてまた雪を追いかけた。
「ねェねぇ!つもるかなっ」
ヒカルくんは楽しそうに先生に聞いた。
「残念ですが風花はすぐに止みますよ」
「なーんだぁ」
ヒカルくんは残念そうに言った。
「でも太陽の日で雪が綺麗でしょう…」
先生が空を見上げたから、ボクももう一度空を見上げた。
寒いけど、太陽の光があたってぽかぽかもする。
「ああ、そうだ」
先生はボクに視線を落として笑った。
「この雪は空からの、アキラくんへのプレゼントかもしれませんね」
「空から…?」
先生は頷いて笑った。
ヒカルくんは楽しそうに飛び跳ねながら聞いた。
「雪が?空からプレゼントなの?アキラくんすごいねっ」
ボクは頷いた。
「じゃあちゃんと受け取らなきゃ!アキラくん、ほら!雪っ」
ヒカルくんはボクを、ボクの横をに降る雪を指差した。
「え?え?」
「どんどん落ちちゃう!落ちる前に取って取って!」
ヒカルくんは降って来る雪を一生懸命手で捕まえた。
全部水になっちゃうのはこの際気にしなかった。冷たいのだって平気だった。
ボクも雪を掴んで、楽しんだ。
新しい遊びとなって、ボクらを夢中にさせた。
さい先生が手がしもやけになるからやめなさいと止めようとしたら、
風花って言う雪はもう止んでいた。
本当に少しの間だけ、降ってた雪だった。
ヒカルくんはもっと降っててくれたらよかったのになぁと文句を言ったけど、
ボクは楽しかったからいいや。
またあの風花って雪が見れるといいなぁ
風花は使ってみたかった「そら」お題の一つです。
虹もやってみたかった。
実は雨も考えた。
お題は一回だけだって。
風花については適当に流し(いつもそれか)
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