「ベッド、行こ?」
進藤がボクの手を引いて寝室に向かう。
捕まれた手は少し震えているようだった。
「え、と」
進藤は顔を赤らめて視線を彷徨わせた。
すっごくかわいいんだが、ボクはどうしたらいいんだ。
まぁ、こういう進藤を見ているのも楽しいけれど…
「搭矢、あの、とりあえず、こっち…」
進藤はベッドの端に座って自分の傍らをぽふぽふと叩いた。
「ああ…」
進藤が示したところにそっと座る。
進藤はボクをじっと見つめていた。
「かわいい…」
つい呟くと、進藤がむっとした顔をした。
マズイ…
「おまえ、やる気ある??」
「あ、あるよ…。ごめん、つい…」
むーっと睨む進藤はやっぱりかわいかった。
「いーけどっ、かわいいなんて言ってられなくしてやろうかなー」
進藤はそう言うと少し乱暴にキスをしてきた。
口を割ってするっと入り込んでくる。
そのままきゅっと舌を絡めとられる。
いつも、ボクからするから、おかしな気分だった。
する時は必死だし、自分からするから心構えもできるけど…
されるって言うのは…次に何がくるかわからなくて焦る。
進藤も、こんな気持ちだったんだろうか…
くちゅっと音をたてる。…絶対にわざとだ。
進藤はしつこいくらいにくちゅくちゅと音をたててキスを一向に止めようとしない。
「ふぅ…んっ…」
飲み込みきれなかった唾液がつっと喉を走った。
やっと解放されて口元を拭うと、進藤は満足げににっこりと笑った。
「へへ…なんか、嬉しいかも」
「それは…よかった」
進藤は微笑んだままボクをベッドの上にあがるよう引っ張り上げる。
さっきのおどおどした態度はどこへいったんだろう
まぁ、別にいいんだけど…
進藤はそっとボクを押す。
寝転がれということだと思う。逆らう気はないのでとりあえず体を横にする。
…しかし…、男同士のセックスは…
いや、女性だってそれなりに初めは少し痛いとか痛くないとか聞くが…
なんだか…先が思いやられるような…
「何、考えてんの?」
「え?」
「なーんか考えてたろぉ?」
進藤は先ほどよりむうっとボクを睨んで返事を待っていた。
ボクはにっこりと微笑んで言った。
「うん、進藤のことを考えていたんだよ」
「…ちぇ、かわすの上手いんだから」
「そんなことないと思うよ?」
進藤はむーっとした顔をしたままボクの服を脱がせていく。
その流れを手伝いながら、進藤を見上げた。
いつもいつも、言動は子供のようなのに、顔や体つきは昔と随分変わった。
今でもかわいい顔をしていると思うが、小学生の頃は本当に子供だったな。
それなのに、今は…
「搭矢?大丈夫?」
「…ああ」
見つめる目は無邪気だけれど、少しだけ…男のボクから見てもかっこいい…ような気がする。
「…なん、か…」
進藤は戸惑った様子を見せて呟いた。
「何?」
「夢みてー…。こんな風に搭矢を見下ろせるなんて…」
「…そうか?」
「背だって…悔しいけど、碁の…段位だって、いつもおまえが上じゃん」
進藤は少し悔しそうに、いやそうとう悔しいのかもしれないけれど、ボクを見た。
「あ、でも棋力が下だなんて思ってねーぞ!それに背だって今じゃ同じくらいだしっ」
「…でもボクの方が高いよね」
「う…おまえ…ヤな奴〜」
「事実を言ったまでだと思うけど」
「んなこと言う〜〜。もー怒った」
進藤はいきなりキスをしてくる。驚いて声を上げようとしたら進藤の舌が進入してきた。
「…っ、ぁ」
進藤は唇を話すと顔中にキスを降らせてゆっくりと首筋にキスをした。
一瞬だけ、恐怖が駆け巡った。
進藤の首を絞めた感触が、蘇ったから。
手が汗ばんで、怖くなった。何が怖いのかよくわからない。
進藤がちゅっと音をたてて首筋にキスを落として、ボクは我に返ったように進藤にしがみ付いた。
ちゃんといる?
キミはちゃんと…
「搭矢…?」
きつく抱きしめた。
そうしていればキミがいるんだとわかるから。
「搭矢…どうした?やっぱ怖くなった?」
「う…、違うんだ…
「うん?」
離してはいけない。決して。そう誰かが警告した。
「キミが存在してるか…確かめたくて…」
進藤がふうっとため息をふいた。
でもそれは、愛しさを含んだため息だった。
「だいじょーぶっ。さ、離してよ。これじゃオレなんも出来ないだろ?」
確かにそうだ。ボクがしがみ付いていたら進藤はキスもおろか動くことさえ出来ない。
ボクがゆっくりと進藤から離れると、進藤はにっこりと笑って片手を握り締めてきた。
「これで勘弁な?」
進藤は指を絡めてぎゅうっと握ってくれた。
それを必死に握り返すと、あの怖い感触はすうっと引いていった。
いつの間にか進藤はボクの首や胸に沢山のキスを降らせて痕までつけていた。
「ちょ、…あ」
進藤はボクの胸の突起を口に含んだ。
舌でちろちろと弄くられる。体の上を進藤の手が滑る。
ぞぞっと背筋を何かが走った。
「しっ、
んっ
「ん…?」
「あ、い…、っ、んっ」
わけがわからないまま、わけのわからない言葉を零した。
ただ、進藤の手だけは握っていなければいけないと強く思って。
強く握り締めた。
進藤がやっと口を離して、ほうっと一息ついた。
「ひゃっ!」
「わ、何だ、おまえちゃんと感じてたんじゃん」
な…に?
進藤がしたことがわからなくて身を起こして進藤を見た。
…見ない方がよかったかもしれない。
進藤はボクのものを握り締めてまじまじと見つめていた。
「なっ!は、離せっ」
今が最中だと言う事を忘れて進藤を蹴り飛ばそうとした。が、足に力が入らない。
あんなに離してはいけないと思っていたのに、慌てて握り締めていた手を離して手を使って逃げようとした。が、それも進藤の手によって成功はしなかった。
「落ち着けよ、ほら」
進藤はボクが離した手をもう一度差し出してくれた。
その手を取ってはみたが、その、…
「そっちは離…せ」
「駄目」
進藤にしては強く言われた。いや、ボクにしては言い方が情けなかったような…
握り締めるだけだった手がそっと蠢いた。
「っ、ぁ…」
「…ね、オレのこと考えて自分でしたりしなかった?」
な…んてことを聞くんだ、この男は…
「自分でなん、ぁ、かっ…」
「したことないの?」
「…なのどうでもっ…」
「ふうん…。オレはしたのになぁ…」
「っ――…」
「おまえってやっぱ変」
「変で悪かった、なっ」
段々話すのも億劫になってきた。
「一回イこっか?」
どうでもいい、いいから、早くどうにかしてくれ
進藤はなにやらかちゃかちゃと音をたてるとぬるぬるした何かをボクに押し付けてきた。
「…?」
動きたくはなかったがそうも行かず、それを確認する。
…もう何も言いたくなかった。いや、これは当たり前のことなのか…?それを考えるのも億劫だ。
「おまえローションとかないだろ?」
そんなものあるか!
「オレも持ってねぇからさぁ」
持っていたら…ただじゃ済まないよ…
進藤はそのまま腰をゆるゆると動かして手でボクらのものを刺激しだした。
「う…すっげ、気持ちー…」
「…ん……進藤…」
進藤がぎゅっとボクを刺激したとたん、真っ白になった。
真っ黒かな?
よくわからないけれど…
ぼおっとする頭で息を整えていると、「よし」と言う進藤のことばが耳に入ってきた。
なにがいいんだ…?
頭の中でそう問いかけていると、進藤が「搭矢、ちょっと我慢しててよ?」と声をかけていきなり冷たい何かがそっとなぞられて嫌な感触を伴って何かがボクの中に入ってきた。
何をしているかよくわかった。…もうどうにでもなってくれ…
…でも…はっきりいって気持ち悪かった。
「どう…?痛い?」
進藤は心配そうにボクに視線を向けた。
「…気持ち悪い…」
なんて言うか…
吐きそうだ…
痛くないのがまだマシなのか…
「気持ち悪いぃ?まぁ…そう…いうもんなのかも…しんねぇけど…」
んー。進藤は唸りながらボクの中の指を動かした。
や、止めてくれ…気持ち悪さが増すっ…
またボクが逃げ出そうとしてしまった時だ。
「あぁっ!!」
「あ、やった!」
今…、
「な!気持ちよかったろ!」
「…あ、ああ…何、を?」
「んとね、男って中のどっかにすっげー気持ちよくなる部分ってのがあって…なんて言ったっけ?忘れたけど、あんの。そういうのが。それ触っただけ」
触っただけって…
「ほら、ここ」
進藤の指がその部分を触る。
「あっ、あ、んっ」
「ほら、すっげーvやった〜」
「うぁ、あ、ちょ、も、わかっ、あ、しんっ」
「ほら!おまえのからすっげー溢れてきたもん」
「やっ、言うなっ!」
「あー、もしかして、搭矢って言葉攻めダメなの?」
「ぅ…あっ、言葉…あ、なんっ」
「そっか、喋れないほど気持ちーんだ〜」
「進藤っ…も…」
「何?いれて欲しい?」
「ちがっ、うっ、も、止めろっ」
「なんでー?気持ちいいんだろ?」
「そっ…ふっ、ぁ…」
このっ…
バカっ!!
何か抵抗しようとしたけれど体に力は入らなかった。
「もう一本増やすよ?」
ぬるっと入ってきた進藤の指は初めに比べればそんなに気持ち悪くなかった。
でも、2本が蠢くのはさっきより気分が悪くなった。
何だか嫌だ…っ
「どう?痛い?」
「あ、ずっと、触ってたらっ…あ、あ、答え、れっ、ないっ」
「答えてるじゃんか」
「っ、もっ…あ、あ、」
進藤は何も言わずにもう一本増やしてボクの中でめちゃめちゃに動かした。
「っあ!あっ、進藤っ」
「痛くないよな?そんな顔で痛いなんて言わないよ…」
「んっ、んっ、はぁっ、あ、」
「ね、入ってい?オレ、もう我慢できない…」
…なんて色っぽい声なんだろう…
聞きほれるってこういうことかな…
「いくよ?」
「んっ」
肯定の意味だったけれど、進藤に伝わったかどうかは定かではない。
ずるっと指を抜かれて体が跳ねた。
その次に進藤のものがゆっくりと入ってくる。
痛いとか痛くないとか、もうよくわからなかった。
とにかく、叫んだ。
「ああっ!!」
「っ、ごめ、痛い?」
痛い…
痛いかも…
痛いような気がする…。でも何だか麻痺した感じで…
「息吐いて」
言われずとも吐いた。苦しい。…やっぱり痛い…
「そう。もっといっぱい吐いて。体の力抜いて」
よくわからないけれど、とりあえず深呼吸をしてみる。言われずともしていたとも思うが。
「搭矢…好き」
進藤はそう言ってボクのものを少しずつ擦り上げた。
すると痛みは和らいで、でもしっかりと異物がボクの中に入り込む。
「んっ…進藤っ…」
「うん、大丈夫。入りそう…」
異物感が大きくなる。やっぱり気持ち悪いと感じた。
さっきより、全然違う感触。熱い…
「進藤…しんどぅ…」
「うん、大丈夫だよ、搭矢。ほら、わかる?全部入った」
わからない…そんなこと…
ただ…進藤…
「動いていい?」
小さく頷いた。
「っっ!!!」
「っく」
「あ、ああっ!!―――ああっ、やっ!!しんどっ」
「ぁっ、さいこっ…搭矢」
「あっ、しっ、んどうっ!ああっ」
「搭矢っ、好きだよぉ…」
「進藤っ」
ボクも
進藤
進藤
進藤…

 

「苦しめててごめん」
最後にそう聞こえた。

 

 

 

もっといろいろ書きたかったんですがっ
ダメだ。挫折。
もう一回この二人でまた何か書けたら…いいな…
ばたっ