先生が運動場の真ん中にせっせと大きなたらいを運んでるのを見つけて僕は先生に駆け寄った。
「先生、何してるの?」
先生は楽しそうに笑ってペットボトルから水をそのたらいに入れていた。
「水?なにするの?」
「ふふ、水じゃないんですよ」
「???」
先生はにっこりと笑った。
「あとは、」
先生は紙袋からハンガーを取り出した。
「ハンガー?」
「これをですね〜」
先生はたらいの水の中にハンガーをちゃぷんと入れてそれを取り出す。
「?」
「それ」
先生がハンガーごと手を振ると、大きなシャボン玉が出来た。
「わぁ!シャボン玉っ」
それはすぐにパチンッと割れてしまった。
「やっぱり大きいのは難しいですねぇ」
先生は紙袋からストローを取り出して僕に差し出した。
「一緒にやりましょうか。液は飲み込まないようにして下さいね」
「はい」
ストローに液をつけてふぅっと吹くと小さいシャボン玉が沢山出てきた。
先生も沢山シャボン玉を出してた。
「せんせぇーーーっ」
声のする方を見るとヒカルくんだった。
ヒカルくんは先生の足にがばっと抱きついて言った。
「俺もやるぅ!」
「はい。沢山ありますから大丈夫ですよ。液は吸い込んじゃダメですよ?」
「うん!」
先生はストローをヒカルくんに渡した。
ヒカルくんはそれを嬉しそうに受け取った。
ふうっっ
ヒカルくんのストローからシャボン玉は出てこなかった。
ヒカルくんは首を傾げてストローを液につけてもう一度ふうっと吹く。
ストローからはぽとんと液が垂れただけだった。
「せんせぇ、できないーっ」
ヒカルくんは頬を膨らませた。
「強く吹きすぎるんですよ。優しく吹いてみて下さい」
「んー」
ヒカルくんがそおっと吹くとふーっと沢山のシャボン玉がストローから出てきた。
「わぁ」
「ヒカルくん上手ですね」
ヒカルくんのシャボン玉がふわふわと飛んでるところにだーっと駆け込んできたのはゆうきくんだった。
ぱちんっ
小さな音をたててシャボン玉がゆうきくんの手で割れた。
「あーーっ!」
ゆうきくんは楽しそうに他のシャボン玉を次々に割っていった。
「ゆうきっ、何すんだよぉっ!」
「へへ〜ん、シャボン玉なんて割るもんだろ」
「オレのシャボン玉なのに〜」
「知らね〜よ〜」
ゆうきくんは残っていたシャボン玉を追いかけた。
「も〜、怒った!」
ヒカルくんは次々にシャボン玉を吹いた。
「アキラくんもっ、作って!早くっ」
「え?え?」
ヒカルくんはシャボン玉を吹きながらボクに手招きで早く!と言った。
ボクは慌ててふぅとシャボン玉を吹いた。
ふわふわとあちこちに飛んでいくシャボン玉をゆうきくんは楽しそうに追いかけて割っていった。
「むー、ゆうきっ!割るなよーっ!」
「やーだねっ」
沢山のシャボン玉を作ったからゆうきくんは割るのに時間がかかってる。
ヒカルくんは沢山シャボン玉を作ろうと躍起になってる。
他の皆がシャボン玉に気がついて寄ってきてさい先生にストローを貰ってる。
ふぅっ
ヒカルくんが吹いたシャボン玉がボクの顔の目の前に飛んできてびっくりした。
指でちょんっと触ったらぱちんっと割れてしまった。
「あー、アキラくんっ、割ったらダメだってば!」
「あ、ごめん」
ゆうきくんが楽しそうだったからつい触ってしまった。
ヒカルくんはむっとした顔をしてボクを見て、すぐに「あ!」と声を上げた。
ボクが首を傾げるとぱちんと耳元で音がした。
振り向くと沢山のシャボン玉が飛んでいた。
皆が一斉にシャボン玉を作り始めたからだ。
さっきの音はシャボン玉がボクに当たって割れた音?
「すげー」
ヒカルくんは目をキラキラさせて言った。
「うん、すごくキレイだね」
本当に沢山のシャボン玉が飛んでてすごくキレイだった。
飛び回るゆうきくんがボクに近づいてきた。
「アキラっ、一緒にやろうぜっ」
「え?ぅわっ」
ゆうきくんはボクを引っ張るとシャボン玉を追いかけた。
「ゆうきっ!」
ヒカルくんはそれを追いかけて。
「オマエはシャボン玉でも作ってろよっ」
「アキラは置いてけー!」
ゆうきくんはヒカルくんにあっかんべーをすると走り回る。
そこによしたかくんが走ってきた。
ヒカルくんに何か言ってる。
「あ、よしたかだ。行くぞ、アキラっ」
「え、うんっ」
ボクらはよしたかくんに向かって走る。
「ゆうき、アキラ」
よしたかくんはにっこりと笑って、ヒカルくんは少しむっつりしてる。
「よしたか、どっちがいっぱいシャボン玉割れるか競争しようぜ」
「おう!受けてたつぜ!ヒカルとアキラは?やるか?」
「え、ううん、ボクはいい」
「ヒカルは?」
ヒカルくんはむーっとした顔をしてゆうきくんとよしたかくんを見た。
「何だよ、変な顔して。やんねぇの?」
よしたかくんはヒカルくんの頭を撫でて笑った。
「ヒカルは負けるの悔しいからやらねぇよなー」
ゆうきくんが意地悪そうに笑った。
「〜〜〜やるっっ!」
ヒカルくんはだっと駆け出してシャボン玉を両手で割った。
「あっ、ずりぃぞ!先に始めるなんてっ」
ゆうきくんが駆け出すとよしたかくんも走り出した。
「アキラくん」
振り向くとあかりちゃんが立ってた。
「なに?」
「ヒカルたちなにしてるの??」
「シャボン玉誰が一番割れるかって…」
「ふーん。あたしも行こうっと」
あかりちゃんはヒカルくんのところまで走っていって一緒にシャボン玉を割り出した。
ふわっとシャボン玉が上から降ってきたから上を見たらさい先生がふーっとシャボン玉を吹いてた。
先生のシャボン玉はボクの背よりずっと上の方をふわふわと飛んでた。
手を伸ばしてみたけど届かなくて。
どんどん近づいてくるのに、まだ触れなかった。
その落ちてくるシャボン玉を追いかけるとヒカルくんとぶつかりそうになった。
「アキラくん。あ!」
ヒカルくんはボクが追ってたシャボン玉に気がつくと勢いよくジャンプしてぱちんとそれを割ってしまった。
「えへへ〜」
ヒカルくんは嬉しそうに笑った。
ボクが割ろうと思ったのに!
ヒカルくんが走り出したからボクはヒカルくんを追った。
ヒカルくんが割ろうとするシャボン玉を先に割ったらヒカルくんがむっとした。
「何するんだよ」
「シャボン玉割っただけだよ」
ヒカルくんがボクを睨んだけどボクはぷいっと視線を逸らした。
そしたらボクの目の前にシャボン玉があった。
そっと手を伸ばそうとしたら、横から手がにょきっと伸びてきてぱちん。
ヒカルくんだった。
ヒカルくんはにっと笑った。
ぅー…
ボクらはそれからいっぱいシャボン玉を割り続けて。
最後に手がベタベタになって先生におしまいって言われるまでシャボン玉で遊んでた。

シャボン玉キレイだけど、割る方が面白いって皆で笑った。

 

 

 

シャボン玉、割る方が正直楽しかったな、子供の頃は
今はシャボン玉を追いかける子供を見る方が楽しいv(危)

13      15