「あ、搭矢!進藤知らねぇ?」
ボクが対局場から出てくると和谷くんが声をかけてきた。
「進藤なら今日は取材じゃなかった?」
「うん、だから待ってたんだけどさ、出てこねぇんだよ」
「まだかかるんじゃないかな?ボク今日の夜、進藤と打つ約束してるから伝えようか?」
「マジで?助かる〜。今からオレ用事があってさー」
和谷くんはカバンの中をごそごそとやりながら言う。
「あのさー、あいつにバイトを頼みたいんだ。えー…と」
「バイト?」
和谷くんはまだカバンをごそごそとしながら言う。
「前のところだって言えばわかるからさ、あ」
「和谷くん」
「あ?何?」
「そのバイトって、ボクじゃ駄目かな」
「は?!」
この前、進藤が一人暮らしを始めた。
その部屋の鍵を、進藤は笑ってボクにくれた。
「いつでもすぐ会えるように」
そう言って。
すごく嬉しかった。でも素直には伝えられなくて。
そんな時、和谷くんからのバイトの話。
すぐひらめいたのはプレゼント。
進藤にお礼としてプレゼントをしたらどうだろうか、と。
碁で稼いだお金じゃなくて、働いてみたかった。
進藤の為に。
それだけの為に。
そういうのもいいかと思って。
「それにしても搭矢がバイトしたがるなんて意外だな〜」
和谷くんはすぐに場所を教えると歩き出した。
「そうかな。それより和谷くん用事はいいの?」
「あー…、ちょっとヤバいけど、そんな急がねぇから」
「ごめん。ボクが無理を言ったから…」
「いいって!それより3日間いけるんだろ?助かるよ〜」
そう。3日間。
明日から3日間、たまたま休みだったのだ。
その3日間の内、2日目は進藤との約束があったんだけど、まぁしかたない。
「それでおじさんの腰はひどいの?」
「ああ、それは大丈夫。あの人ただ楽したいからバイト雇ってるっぽい節があるからな。オレの紹介だと安くつくし」
バイトと言うのは、和谷くんのおじさんの喫茶店で働いて欲しいということらしい。
どうやら和谷くんのおじさんがぎっくり腰で仕事がはかどらないとか。
和谷くんは明日から地方の仕事が入っていて手伝えないらしく、進藤に頼もうとしていたようだ。
進藤は以前もそこでバイトをしたことがあるらしい。ボクも少しそんな話を聞いたような気がする。
それをボクが無理を言って進藤の代わりに雇って欲しいと頼んだ。
和谷くんは「まぁ、別に進藤じゃなきゃいけないわけじゃないからいいけど…」と言ってくれた。
「だから給料あんましよくないんだけど」
「いいよ、安くて。あ、それより進藤にはこのこと言わないでくれるかな」
「え?何で?」
「何だか横取りしてしまったようだし…」
「んー、あいつは気にしないと思うけど」
「それに進藤が冷やかしに来たら五月蝿いし」
「ははっ。それ言えてる!うん、黙っとくよ」
よかった。
どうせなら内緒にしておいて、驚かせた方がきっと喜ぶ。
ボクは心の中で進藤の喜ぶ姿を思い浮かべて嬉しくなった。「ここだよ。おじさ〜ん」
和谷くんは棋院からあまり離れていない喫茶店に入った。からんからんと綺麗な音が響く。
「おう、義高!」
奥から笑いながら出てくる人がどうやら和谷くんのおじさんらしい。
「義高、こっちに来い」
和谷くんがその人に近づくとその人は和谷くんの頬を思いっきり引っ張った。
「いでででで!おじひゃん!」
「誰がおじさんなのかなぁ?」
その人はにこやかに和谷くんの頬を引っ張っていた。
「ははは、義高くん。またか。直樹さんもやめてやんなよ」
お客さん達が苦笑して二人を見ている。
「ごめっ、直樹ひゃん!痛いから!はなひて〜」
和谷くんは頬を離してもらうと摩りながらボクと目が合った。
和谷くんは苦笑しながらボクに近寄って小声で言った。「俺のおじさんさ、名前で呼ばねぇと怒んだよ」
「うん。で?何で搭矢くんが?」
いきなりボクに話が飛んできて驚いた。
「あ、の…」
「搭矢がバイトしたいって。別に誰でもいいだろ?」
和谷くんはまだ頬を摩っている。
「へぇ。搭矢くんが?いいの?忙しくないのかい?」
「え…、ええ」
何故ボクの名前を知っているんだろう。
ボクが困惑していると和谷くんが説明してくれた。
「おじ、あ、や、直樹さんは碁打てるんだ。週刊碁も買っててさ。だから囲碁界のこと結構知ってるぜ?」
ああ、それもそうか。甥が碁打ちならそれくらい知っていて当然かもしれない。
「そうだね、僕が知っていても搭矢くんは知らないよね。はじめまして、ここのオーナーの和谷直樹です」
「はじめまして。搭矢アキラです。宜しくお願いします」
「じゃあ俺帰るよ」
和谷くんはドアを開けて言った。
「じゃあ頑張れよ、搭矢。じゃあね、お・じ・さん」
和谷くんはにやっと笑うとドアを閉めて走っていってしまった。
…用事、間に合うといいけど…。
「はは、直樹さん。もう好きなように呼ばせてやんなよ」
「嫌だね。今度来たらまたお仕置きでもしとくよ」
「バイト連れてくるのも義高くんだろう?少しは大目に見てやんなよ」
「僕のポリシーに反するから駄目なのさ」
オーナーとお客さんは楽しそうに談笑している。
「あ、搭矢くん、じゃあバイトの話を。ええと…」
こうして
ボクは明日から3日間、朝から晩までこの喫茶店でバイトをすることになった。
最後の日だけは夕方で上がらせてもらうことにして。
その日の夜、進藤のマンションで打っている時にボクは明後日に会えないと言うことを伝えた。
もちろんバイトの話は内緒にして。
「進藤、悪いんだけど明後日駄目になったんだ」
「え?」
進藤は石を落としそうになりながらボクを見た。
「駄目って…何?」
「用事が出来てしまったんだ。だから明後日は会えない」
「………」
進藤は黙り込んでしまった。
「ごめん、進藤。でも明々後日の夜7時頃なら会えるんだ。進藤空いてる?」
「…空いてる…」
「そう、よかった。じゃあまた来てもいいか?」
進藤はボクを上目遣いで見つめて「悲しい」ということをめいいっぱい伝えてきた。
そんな目で見られても、もうバイトの日は決まってる。
「…わかった…。でもこの借りは返せよ?」
「うん、わかった。必ず返すよ」
明々後日に返せると思うしね。
「オレの借りは高いよ?」
進藤の機嫌をかなり損ねたようだ。しかたないな、何かオマケも考えなくちゃいけないみたいだ。
「わかったよ、考えておく」
それを聞くと進藤はぱちっと石を盤面に置いた。
一応納得してくれたようだ。まだ顔は不機嫌になってるけれど。
ごめんね、進藤。でもボクはキミに何か返したいんだ。
キミがボクにくれたように。
その為に、明日から3日間だけだけど、頑張ろう。
バイト1日目。
ボクは今までこういうところで働いた経験がなかった。
というより、碁を打つという以外の仕事をするという頭が初めからなかった。
和谷くんは「いらっしゃいませ〜とか言うんだぜ?出来るのか?」なんてボクを心配していたけれど。
それくらい出来る。そりゃあ、少し緊張してしまうけれど、慣れればなんてことはない。
ボクの仕事は主に接客と雑用。レジもお願いされたんだけど、どうしても上手く使いこなせなかった。
オーナーはレジが出来なくてもやってもらうことはたくさんあると言ってくれた。
でも悔しいので明日早くここに来てレジの使い方を教えてもらおうかな。
きっと進藤なら使いこなしてしまうんだろうな。
そう思うとさらに悔しかった。
からんからんとドアが開かれた。
「いらっしゃいませ」
ここの店は少し奥まった場所にあるにも関わらず、お客さんが結構来る。
オーナーの作る料理は評判らしく、コーヒーもおいしいみたいだ。
オーナーはいい人だし、人柄に惹かれて通うお客さんもいるらしい。
「何になさいますか?」
にこやかに対応することだってもう出来る。
そういえば和谷くんがボクが接客することろなんて想像できないとか言っていたな。
ちゃんと出来るところを見せつけてやりたいけれど、和谷くんが帰ってくるのはボクが終わる頃だ。
進藤も、ボクがこんなところで働いてるのを見たら驚くだろうな。
いや、驚くよりバカにされそうかな…。
「何、搭矢、そのカッコ!似合わねーっ」とか言って。…失礼なやつだ。
ボクが以前エプロンをして料理をしていたらこんな風に言われたのだ。
ここも、制服はないが指定のエプロンだから、進藤が見たらまた何か言うだろう。
でも進藤もこのエプロンをつけたことがあるんだっけ。ここでバイトしたことがあるって和谷くんが。
…進藤もここで接客なんかをしてたのか…。
「搭矢くん、そろそろ休憩していいよ。お客さんも減ったし」
「はい」
お昼のピークが過ぎると休憩だ。
ピーク時はとても大変だった。次から次へとお客さんが来る。
やってもやっても終わらない。こういう接客業が大変だということを身をもって知った。
これは腰を痛めてやるのは大変だろう。
これをオーナーは普段一人でこなしているらしい。すごいと思う。
休憩に入るとボクの携帯が震えていた。
ボクが慌てて画面を見ると、メール。
3件。
全て進藤からだ。
何だ?進藤は今日は手合いじゃなかったか?一件目。12:31.題、あのさ
『今日手合い早く片付きそうなんだ。会えないかな?』…。これは昼休みに送ってきたんだな。
えぇっと、次は…二件目。12:39.題、搭矢?
『無理なら無理でもいいんだけど。対局中でもいいから後で返事くれよ〜』待ちきれなくて送ってきたんだな…。
こちらはこの時忙しくてそれどころじゃなかったんだ。
大体対局中でもいいって何だ。どこに携帯を置いているんだ。対局場だったら殴るぞ?三件目。14:05.題、無題
『搭矢〜、終わったぞ!中押し勝ち!どうだ〜!じゃなくて、返事くれって送ったのにー。どうせ対局中なんてとんでもないとか思ったんだろ〜。電源切っとけば音も鳴らないんだぜ?終わったら問い合わせして見れるのに。きっと知らないんだと思うけど。ま、いいや。とにかく終わったんだよ。連絡くれ』これが今。
問い合わせ?知らないよ。大体キミが電源を切ることをする方が驚きだ。
この前映画に行った時は電源を消し忘れていて、音が鳴ってしまってかなり迷惑だったんだからな。恥ずかしい。
それより返事を返さなくちゃ。この調子じゃまた送ってきそうだ。題、しつこくメールを送るな
『今日は無理だ。さっきも返事をしなかったのは手が空いてなかったからだ』ボクは進藤にメールを送り終えるとふうと一息ついた。それからお昼を取る。
明日会えなくなったからって時間が空いたらボクにメールするなんて…。嬉しいけど、他にすることはないのか?
早く手合いが終わったなら部屋の片付けでもすればいいのに。いつもちらかしっぱなしだし。
ボクが片付けてもまたすぐに汚くなるし…。あんな部屋でよく生活が出来る…。
ぶぶぶぶぶっ
?!
携帯が音をたてて振動した。
…まさか
画面を見るとメール。…進藤だ。14:11.題、おまえが返事くれないからだろ
『何で?予定が入ったのは明日だろ?おまえ今日も明日も明後日も休みじゃん。手が空いてないって、何やってんの?』
何でって…。どうしようかな、どう言えばバレないだろうか…。
もう面倒だな。題、無題
『忙しいものは忙しいんだ。明後日の夜会えるんだからいいだろう』さっさと送信してやる。
それにしてもこう聞かれるとは予想していなかった。何か今から言い訳を考えた方がいいな。
誰かにアリバイでも作ってもらうといいんだけど。…こういうことを頼める友人がいないからな…。
緒方さんや芦原さんならやってくれそうだけど…絶対に理由を言うまで協力してくれなさそうだ。
むしろ言うまで追い掛け回されるのがおちだろう。この2人には頼めないし。
市河さんは…あの人は忙しいから無理だろうし。
ぶぶぶぶぶっ
……早いな…14:13.題、無題
『今、家に居んの?外出中?』題、無題
『外出中だ。だから会えないと言っているんだ。今日は諦めてくれ』進藤には悪いけど、やっぱり教えないで驚かせたいし。
プレゼントを渡す時に教えれば納得してくれるだろう。
「搭矢くん、悪いんだけど、お客さんが来たからお願い出来るかな?」
「あ、はい」
その時、ボクの携帯がまた音をたてて振動した。
ボクは携帯の振動を止めると心の中で進藤に「ごめん!」と謝ってお店に戻った。進藤のメールを確認できるのはボクが終わったあと、9時半頃だった。
14:16.題、わかった
『じゃあさ、夜は?いつ帰ってくんの?一局でいいから打たねぇ?疲れてて無理なら会うだけでもいいし。今日のオレの対局も見て欲しいな〜。すっげーいい出来だったと思うんだよ』
搭矢から返事が帰ってこない。
…今日の用事ってなんなんだろう…。
…なんで…返事くれねぇのかな。
オレはぶらぶらと歩きながら携帯を見つめていた。
何か…帰りたくねぇなー…。
折角、早く終わったのに。つまんねーの…。
オレは携帯をしまいながら、家とは反対の方に歩き出した。
もっかいメール送ってみようかな。あ、でもまた送ってくんな〜って返ってくるかも。
搭矢、メールって嫌いなのかな。鬱陶しいとか思ってるのかも。
…メールが鬱陶しいんじゃなくて、オレからのメールが鬱陶しい…?
なんで、どこに出かけたとか教えてくんないのかな。オレには教えたくないのかな。
メールの内容も素っ気無いし…。
今日も、もしかして暇だけど、オレに会いたくないから、忙しいとか言ってるとか?
明日も…
オレは首をぶんぶんと振ってその考えを忘れようとした。
そうしたら、ふと嫌な情景が浮かんだ。
昨日、オレの取材が終わって棋院を出ようとしたら、
搭矢と和谷が並んで歩いてた。
遠くの方にいたので、声をかけるか迷った。でもやっぱし声をかけようと近づこうとした時、
搭矢が和谷にすごく嬉しそうに笑いかけてて、
オレは動くことが出来なかった。
別に搭矢が和谷と並んで歩いてたっていくら付き合っているオレだってとやかく言えるもんじゃない。
オレと帰る約束もしてなかったから、和谷と帰ってしまっても、しかたない。オレを待っててくんなくても。
でも、ちょっと嫌な気分だった。
ううん。かなり嫌だ。
でも誰にも話しかけるな、笑いかけるな、なんて無理なのは百も承知だから。
だからしかたないと自分を納得させた。
たぶん、そのことを搭矢から聞けると思って。「今日、棋院で和谷くんに会って一緒に帰ったんだ」とか。
でも、それも言ってくれなかった。昨日、一局打ってる間に聞けたのは明日会えないってことだけ。
和谷に聞こうと思っても、聞きにくい。だって「搭矢と何を話した?」なんて。
オレが搭矢と付き合ってることがバレちまう可能性が出てくる。
搭矢はオレ達の関係がバレるのは嫌だと言い張ってる。だからオレも気をつけなきゃ。
搭矢ぁ、和谷と何話してたの?なんで明日、会えなくなっちまったんだよ?
どうして、話してくれねぇんだよ。
「搭矢の…バァカ」ぐちぐちと悩むのは、やっぱし性に合わない。
搭矢に会って話ししたい。
そう思って搭矢の家に来た。搭矢はやっぱり留守みたいだ。
とりあえず、オレに会いたくなくて嘘ついたってことはなさそうだな。ほっ。
でもどこに出かけてんのかなぁ。
………
搭矢が帰ってこない。
あいつって真面目だから結構早く帰ってくるのになぁ。
何か仕事なのかなぁ?でも休みだって棋院で聞いたんだけど…。
オレはずーっと搭矢の家で座り込んでた。
かなり暇。搭矢からのメールはない。
こんな風に一人でぼーっとしてるとだんだん嫌なことを考えてしまうから嫌だ。
搭矢がオレに愛想つかしたとか。
和谷が好きになったとか。(すっげーヤダ;)
他にもいろいろありえないことまで考える。
早く帰ってきてよ…搭矢…。
それで「何をバカなことを言っているんだ」とか言って笑ってよ。
携帯を眺める。
せめてさ…、返事くらい…くれてもいーじゃん?
ばっかやろぉ…
もう時計は9時になっていた。
ぐきゅるるるる〜〜
う。お腹の虫ももう限界を訴えてる。
もうここに来て…えーっと、4時間くらい?
こんなにオレが待ってんのに。帰って来いよ…。
ぐきゅ〜
ああ…腹減ったな…
搭矢の手料理食いたいなー…
そんなことを思っていたら搭矢が誰か、オレじゃない誰かに飯を作ってるとこを想像しちまった。
オレ、何で自虐的になってんだろ…。
はぁ。
オレはもう待つことに耐えられなくて立ち上がった。
「どっかに食いにいこ」
部屋で一人で食べるなんて何だか耐えられない。一人でもいいから、うるさいぐらいのとこで食べたい。
オレは腹を満たすために歩き出した。
21:46.題、返事が遅れてすまなかった
『今日は帰るのが遅くなりそうなんだ。疲れてしまったからすぐに寝たいし。悪いけど今日は無理だ。すまない』オレが搭矢のメールを見るのはオレが家に帰ってベッドに突っ伏した頃。
オレは寂しくて悔しくて悲しくて、「搭矢のバカやろ〜っ」と八つ当たり気味にメールを返すとそのままぐうすかと眠ってしまった。
21:48.題、バカ!
『搭矢のばーか!あほ〜。おたんこなすー。おかっぱー』
「…なんだこのメールは…」
進藤から返ってきたメールはボクへの不満がぶつけられていた。
内容は、小学生が打ったのかと思うようなものだったけど。
返事をしなかったこと、そうとう怒っているみたいだ。
ボクは…ケンカをしたかったわけじゃなかったのに。
これで、進藤が機嫌を直してくれるといいけど。題、ごめん
『返事をしなかったことは謝るけれど、本当に忙しかったんだ。すまない。ボクはキミとケンカをしたいわけじゃないんだ。明後日、ちゃんとお詫びをするから怒らないで欲しい。そうだ、明後日、キミの今日の対局を見せてもらうから、ちゃんと覚えておけよ』自分の打った文に苦笑する。
もう少し、かわいげのある文を打てないのだろうか。
しかしこれが自分だから、しかたないか。
でも、らしくないこともたまにはいいかな。
思い切って少し足してみた。『言っておくが、ボクだってキミに会えたら会いたいと思っているんだからな。自分だけなんて思うな』
でも今日は本当に疲れてしまった会うどころじゃないんだ。
これなら、徹夜で碁を打って居る方が数倍楽だ。
ボクは暫く進藤の返事を待っていた。しかし進藤からの返事がない。
おかしいな。まだ機嫌が直らないのだろうか?
進藤が気になったけれど、ボクも睡魔には勝てずに携帯を傍らに眠りについてしまった。